研究

システム設計学と社会実装

大規模複雑システムとは、様々な人工的なシステムが組み合わさることで成立する複雑系としての性質を見せる系である。システムの成立時における中核要素の関係性は比較的単純であったかもしれないが、技術が深く浸透するとともにシステムは大規模化・複雑化し、結果として人間環境に解決の困難な問題を引き起こしはじめる。これらの問題は、他のサブシステムへの影響伝播により発生する副次的結果のため、伝統的な学術体系の知見に基づいて個別のサブシステムに介入しても解決できない。

このような現状において、大規模複雑システムの問題解決のため、本分野は以下の2つのトピックに取り組んでいる。

  1. システムの目的、機能、振る舞いやサブシステム間の関係性のシステムズアプローチの手法による記述を基盤とした、標準的な手続きやパターンの体系化によるシステム設計方法論の構築。
  2. 大規模複雑システムについて、提案する方法論を援用した異分野の専門家間の深いコミュニケーションとコラボレーションによる認識の共通化、優れた設計解の発見と選定に向けた意思決定の支援。

産業環境学分野では、これらのシステムの設計や意思決定を支援する方法論を、海上物流サービス、船舶の建造や情報システム開発などの大規模プロジェクトを代表とする産業界の大規模複雑システムに適用し、従来にない産業を創出するための検討を行っている。

また、利用者が予約して乗り合うことで利便性と効率性を両立させるオンデマンド交通の情報システムや、三次元レーザスキャナを用いた数十メートルの超大型部品の高精度三次元計測の精度評価システムなど、システム設計方法論の研究に加えて、設計からプロトタイプ開発、実用化までを手掛けることで研究シーズを社会に還元する活動も本分野の重要な活動である。

過去に行った研究テーマの例

  • 海事産業への新技術導入評価
  • 見守りサービスの設計
  • デジタルアーカイブの構築と活用
  • ロボット水槽構想
  • レーザスキャナを用いた大型部材の精度計測と加工支援
  • オンデマンド交通に関する研究
  • システム開発プロセス設計
  • 作業パフォーマンス評価および人員・設備の最適配置
  • グローバルチーム設計
  • 情報システム開発プロジェクト